今回購入したTicWatch Proシリーズの最新モデルであるTicWatch Pro 5は2023年5月に発売されました。前モデルのTicwatch Pro 3 Ultra GPSから2年弱でのモデルチェンジでしたが、製品名のバージョンも「3」から一気に「5」に上がるなど、明らかに大きな性能アップが期待できそうな感じです。
既に使い始めて、その性能をひしひしと実感していますが、まずはカタログベースでの比較をしてみたいと思います。
まずは、わかりやすくスペックの比較表を作成してみました。
Ticwatch Pro 5 | Ticwatch Pro3 Ultra GPS | |
サイズ | 50.1x48mm | 47x48mm |
厚さ | 12.2mm | 12.3mm |
重さ | 44.3g | 41g |
解像度 | 466×466 | 454×454 |
チップセット | Snapdragon W5+ Gen1 | Snapdragon 4100 |
メモリ | 2GB | 1GB |
ROM | 32GB | 8GB |
バッテリー | 628mAh | 577mAh |
駆動時間 | スマートモード 80時間 省電力モード 45日 |
スマートモード 72時間 省電力モード 45日 |
防水性能 | 5ATM/MIL-STD-810H | IP68/MIL-STD-840G |
付属バンド | 固定シリカゲル バンド幅:24mm |
フルオロゴム製 バンド幅:22mm |
GPS | GPS /GLONASS /北斗 /Galileo /QZSS | GPS /GLONASS /北斗 /Galileo /QZSS |
bluetooth | 5.2 | 5.0 |
デザイン | 高級感(ブラックorサンドストーン) | スポーティ(ブラックのみ) |
Wear OS | Ver3.5 | Ver2.22(3.5にUpdate可能) |
充電時間 | 70分(30分で65%の高速充電) | 100分 |
性能的な比較
- CPU(チップセット)の世代が「Snapdragon 4100」から「Snapdragon W5+ Gen1」に新しくなり、2倍のパフォーマンスと50%の低消費電力化、そして30%少設計化となりました。
- メモリも2倍の2GB、ROMも4倍の32GBに増えたことで、今後のアプリのサイズ増加や高性能化やWearOSのアップデートにも十分対応できます。容量を気にせずアプリや楽曲データを保存できるのは安心です。
- スマートモードでの駆動可能時間が8時間増えて80時間に。追加充電なしに3日を超えて利用できるようになり、これでWearOS搭載のスマートウォッチ唯一の弱点がほぼなくなりました。これもバッテリー容量のアップとCPUの低消費電力化のおかげですね。
- Bluetoothが5.2に対応し、よりスマホとの接続性が向上しました。
- 防水性能が大きく性能アップしました。1メートル以上の深さの水に完全に沈むことに耐えることができる「IP68」から、水中50メートルと同等の水圧に耐えることができる「5ATM」になり、水中でも安心して使えます。
- フル充電時間が30分短縮の70分に。さらに、最初の30分で65%まで一気に充電できる高速充電に対応しました(ただし、高速充電アダプタが使えるわけではありません)
- WearOSが3.5になり、様々な機能が使いやすくなりました。
デザイン的な比較
- サイズがほんの少しだけ縦長になって、その分3.3gほど重くなっていますが、全く気にならないくらいの変化です。厚さは0.1mmほど薄くなっていますが、これも言われなければ気が付かないくらいの範疇です。バッテリー容量が増えてこれで収まっているので頑張っている方かと。
- 以前はブラック一択でしたが、今回はブラックに加え「アッシュグレー」という大変おしゃれなカラーデザインが追加になっています。好みは分かれるところですが、渋く決めるにはお勧めの色合いです。
- 前回まではベゼル部分(フレーム上部)の1周にわたって数字が表記されていましたが、今回は無地でその代わりに網目模様のローレット加工が施されています。通常ローレット加工は滑り止めに使われますが、今回はデザイン的な要素として取り入れられ、とても高級感のあるデザインになっています。前回までのスポーティな感じから、ビジネスライクなすっきりとしたデザインになって個人的にはこちらの方が好みです。
- 今回の外的変化の中で一番特徴的なのは、なんといってもサイド中央のクラウン回転ボタン(リューズ)です。前回の2つボタンは見た目にスポーティな印象でしたが、今回は実に時計らしいデザインでいい感じですね。また、機能的にも押すだけでなく回すことで画面スクロールや音量調整もできるため大変便利です。ただ、ボタン側面のベタな丸い赤ラインは無くてもいいかな。
- 付属バンドの質感はシリコン製で前回と似ていますが、全体のデザインはよりシンプルになり、止め穴が丸形になったことでデザイン的にはこちらの方がおしゃれです。また、穴も止める目的だけではなく、デザイン的要素なのか時計の上下両方のバンド部分すべてに穴があります。ただ、バンド幅が22mmから24mmになったことで、交換の際の選択肢が少し狭まったのは残念です。
その他使いやすくなったところ
- Ticwatch Pro3 Ultra GPSでは、発売後のアップデートによりコンパス(方位センサー)が利用できなくなっていましたが、このTicWatch Pro 5からはまた利用可能になっています。山登りには必須な機能ですが、個人的にはよく利用するGoogleMapがやっとフルに活用できるようになって助かりました。
- エッセンシャルモード(超省電力モード)中でも各種センサーが止まることなく動作するようになりました。バッテリー切れで睡眠計測が中断することがなくなるので、これは地味にうれしい!あわせて、睡眠時間中は自動的にエッセンシャルモードに切り替わる機能も追加され、睡眠管理を行いつつ、より省電力を維持できるようになっています。
- スマホ側のアプリが専用の「Mobvoi Health」に変更になりました。以前の「WearOS」アプリと「Mobvoi」アプリが統合された感じです。このアプリのおかげで、スマートウォッチの設定の多くをスマホ側の大きな画面で行えるようになり大変便利になりました。また「TimeShow」というアプリも用意され、数多くのウォッチフェイス(盤面デザイン)を利用することができるようになりました。
残念な点
- 現状スマホ側の接続アプリの「Mobvoi Health」がiPhoneに対応していないため、iPhoneユーザは利用できません。おそらく今後対応してくるとは思いますが、しばらく待っていただくようです。
今回WearOSも最新バージョンになったことで、実際にはもっと色々使い勝手がよくなっていますが、詳しくはこれから様々検証記事を書いていきたいと思います。
これで実質4万円を切る価格帯で購入できるコストパフォーマンスの良さですから、WearOS系のスマートウォッチとしては抜きに出てこれ一択になりそうです。
このMovboiというメーカーがGoogle出資による会社だからかもしれませんが、常に最新のハードウェアとソフトウェアを早期に取り入れていっているこの会社の意欲的な取り組みを見ていると、たぶん今後もTicwatchシリーズを使い続けていくんだろうと実感します。
うん!これは本当に隠れたベストアイテムです!